DIARY 宇宙の戯言

出逢いと別れの街

わたしは今、New Yorkにいる。

去年の冬、初めてNew Yorkを訪れた。
Manhattanに降り立った瞬間、なんだかとても懐かしい気持ちに包まれた。
まるで故郷に帰ってきたような気持ちに。
必ずまた来る、と確信した。
こんな感覚は、生まれて初めてだった。

帰国してから「New Yorkが好きになった!」といろんな人に言ったら、皆、口を揃えてこう言った。

「みんな優しくしてくれるもんね〜〜」

違う。
まったく違う。
そんなところに惹かれたんじゃない。。
むしろ、厳しいところだと感じた。
必要ないモノは排出される。
あらゆる意味で誰もが「平等」な場所だ。

だからワクワクした。

そして今、三度目のNew York。
梅田を歩いているよりも、自分の肉体も精神も、この街に馴染んでいるように感じる。
血の色が同じなのかもしれない。

ただ、一度目二度目に感じたあの純粋な闘争心にも似たワクワクは、三度目にしてより現実味を帯び、切なさが入り交じった不思議な感覚に変化している。

ここで出逢った人たちが、次来たときも必ずいるとは限らないという現実。

お気に入りだったカフェが、もうなくっていたり。

いつ来ても迎えてくれると思っていた人が、もういなかったり。

そんな事は気にもしていないかのように、この街は何一つ表情を変えず、一年前と同じ空気、同じ景色を見せてくれる。

街は何も言わない。

何も言ってくれない。

「おかえり」とも、
「出て行け」とも。

すべて自分次第。
それが自由で、
それが平等だ。

この街にいる意味を
自分自身が見出せないと、
きっといられなくなる。

そういう街だ。