2025-10-15
万博とわたし③
実現に至らなかった企画は、【BIG LOVE! BIG MOM!】と名付けたインスタレーションで、大きなお母さんのお腹の中を体験する、前世の記憶に呼びかける、というコンセプトだった。
企画当初の2021年、30代後半だったわたしはまだ出産に対して希望を持っていて、おそらくこの数年以内に、愛する人に出逢って、子どもを授かるだろう。そうなったらこの企画もより色濃く意味のあるものになるに違いない。と信じていた。
わたしは、自分に正直に生きてきたし、イメージを鮮明に描きすぎるとそこを目掛けて一直線しか見えないタイプで、表現したいものの素材を万博仕様に置き換えられなかったことと同じ現象がプライベートでも起きていた。
毎年必ず一つずつ重なっていく自分の年齢と、思い描いたスケール、スピードで積み上げられない歯痒さ、否が応でも女性としての生き方を考えなければならないタイミング、あらゆる要因から、心と身体のバランスを崩してしまった。
Instagram にもこの時期のことを書いた投稿があるのだけれど、本当にとても辛い時期だった。
そんな中でも、レッドソファを気にかけてくれたり、応援してくれるクリエーター仲間たちが、「今こそ(まだコロナが明けていない時期に)レッドソファが必要だ」と、それぞれの企画に呼んでくれて、レッドソファは小さな旅を続けられた。
人に会うとパワーをもらえる。
わたしのアートが生きるチカラを見出すきっかけになればと思っていたのに、逆にみんなのおかげで、レッドソファのおかげで、わたし自身が生きるチカラをもらえた。いいエネルギーが循環している。
本当にレッドソファのおかげでいろんな人と繋がっていられると感じている。

いつもありがとうございます〜!!

章雄さん、ありがとう〜!!

株式会社ビコーデザイン様、お声かけいただきありがとうございました!

イラストレーター大原そうちゃんと!
毎回呼んでくれてありがとう〜〜!!
2023年のお誕生日
今までずっと、ずっとずっと当たり前のように描いていた『愛する人の子を産んで幸せに暮らす』という最大の夢をようやく手放せた。
叶えた、じゃなく、手放した。
すべて必然で、何の後悔もない。
心も身体も少し軽くなった。
とても静かに、新しい人生がはじまる予感がした。
もう通り過ぎた話なので、前向きに書いているけど、しばらくは心が不安定でずっと病んでいた。
そんな心境だったから、やりたいと思っていた企画【BIG LOVE! BIG MOM!】からキモチが離れていってしまった。
万博への想いは、鬱になる前の勇み足だった頃に比べてかなり落ち着いて、現実を見るようになっていた。
どんなカタチでもいいから、万博に関わりたい、という想いに変わっていた。
インスタレーションが無理でも、ビジュアルアーティストでもあるから、どこかのパビリオンのビジュアルを担当できないか、など、知り合いの企業の方に相談したりしていた。
万博がはじまってから、どこにどんなアート要素があるかなど今でこそわかるけれど、それまでは本当に中枢にいる関係者以外、誰もどんな景色になるのか想像できていなかったはずだ。
いろんな企業が関わっていて、一筋縄では行かないくらいの規模だということも理解していたし、コンペで競い合っていると聞いたり、そのコンペに入れてもらったりもしたが、やっぱりアーティストの世界観が確立されているアートは受け入れてもらいにくいようで。
デザインやイラストならチャンスはもう少しあったかもしれないけれど。
万博に関わりたいと思っていたアーティストやクリエーターは、関西、特に大阪にはたくさんいただろうと思う。
それぞれ向き合い方が違って、オファーを待っていた売れっ子アーティストもいるだろうけれど、必死で売り込みしていた人たちをわたしはたくさん知っている。
みんな日々の活動の中で、万博が大きなきっかけになることを期待していたのは間違いない。
だからこそ企画を通して実現させた人は本当に凄いと思う。