宇宙の戯言

芸術の役割

日本の未来が心配で、いろいろ考えすぎてひとり悶々としている今日この頃。
わたしにできることは、アートを通じて訴えつづけることだ。
そう考えると、これまで自分がやってきたことがすべてたったひとつの事のために存在した伏線かのように感じてきた。それらをこれから回収していく時期にきている。

このあいだ、誰かが言っていたよ。
「食うもんなくなったときに、最後のお金で何を買う?アートは買わんやろ」と。

果たしてそうだろうか。

今日食べるパンを買うお金しかなくても、その僅かなお金を貯めて、美術館に行きたいと思ってる人だっている。大好きなアーティストのアルバムを買いたい、ライブに行きたい!と思ってる人だっている。
食べることよりも、寝ることよりも、心の栄養を求めること。
生きているってそういうことなんだよ。

この世から芸術が無くなると、戦争が起きるよ。
物騒なこと言っちゃったけど、大袈裟じゃない。

なぜなら芸術は人間の精神のバランスをとる役割にあるからだ。
人が人としてあるための。
芸術が無くなるということはバランスが崩れるということ。
偏った人間ばかりになり社会の精神が崩壊する。


彼と彼女で素晴らしいと思うものが違う。
彼は朝陽に感動し、彼女は満点の星空に感動する。
人それぞれ心動かされるモノ・感じ方が違って当たり前。

そうやって、糸はいつもピンと張られている。
左に傾いたり右に傾いたりしながらも、ピンと張られている。
それがきっと健全な状態なんだ。

文字だけで見ると当たり前のようだけど、今の日本はそのバランスが崩れてきているように思う。

今は、影響力のある誰かが良いと言ったものを一斉に祭り上げ、悪いと言ったものを一斉に責め立てる。

糸はどんな状態だと思う?
明らかに緩んでいる。
ゆるゆる。
だらしないなー。
自分の意思で、感性で、引っ張りなさいよ。

足りないんじゃないかな。
心の栄養。
栄養はエネルギーに変わるからね。

芸術は、誰にも気づかれないところで、心のバランスをとってくれているんだよ。
美味しいも楽しいも、芸術のない世界では、存在しないかもしれない。
芸術のない生活を考えたことある?
想像つかないよね。
気づいていないだけなんだ。

だから、蔑ろにしないで。

生きる喜びを、わたしは表現することで感じている。
そして、アートを通して生きることを伝えていきたい。
だって芸術は、人が人としてあるために、なくてはならないものだから。