DIARY 宇宙の戯言

はじまりの音

描いた理想や未来が不本意な結末を迎えることをよく、「夢破れる」とか、「砕け散る」と表現される。

コロナの影響で、一般意見募集も発表も延びに延びてしまったから、その分妄想もかなり加速して大きく大きく膨らんでしまっていた。

その期間の記事にも書いたように、ダメだった時のことを考えずに(というか想像できなくて。)、選ばれたら世界中が希望に満ちて、元気になって、あんなことやこんなことを仕掛けていきたい!!と、5年後、そしてその先の未来をダイナミックに描いていた。
いつも応援してくれている家族や友人、恩師が喜んでくれるところを想像していた。
あまりにも鮮明に描いていたので、自信というより、確信に変わっていた。

発表の日程が決まって、いよいよ現実味が帯びてきた頃、ふと、「こんなに夢膨らませて、もし、もし、万が一、万が一、ダメだった時、、、わたし、どーなってしまうんやろ、、」と、ほんの一瞬思った。
どん底に落とされても、また這い上がってくる力はある、と自負はあったが、「大阪万博」という、生きているうちにはもう二度とない大舞台、そして自分の年齢的にも70年万博当時の岡本太郎さんとタイミングが重なることもあって勝手に運命を感じていたものだから、、、急に、ほんのちょっと怖さを覚えた。
元々楽天家なので、不安はなかったけど、そうやって怖いと思っている自分に気が付いて、またさらに事の重大さを実感した。


そして迎えたその瞬間。

青色の幕が引き剥がされたあの瞬間。


一瞬、無になった。
でも、次の瞬間には、現実を受け入れている自分がいた。
いい夢を見て、スッキリ目覚めた朝のような。

不思議だな。
もしかして、知ってたの?未来のわたし。

あー。そうか、まだ、揃ってなかったんだ。

わたし、たぶん、一番最初に拍手したと思う。
わたしの前を通り過ぎてステージへ向かう受賞者の方の姿を見て、自然と笑みがこぼれていた。先の記事にも書いたけど、わたしの中で、既に同志になっていたからかもしれない。

そして、うなずいている自分がいた。
結果に納得しているんじゃない。

また、未来のわたしの声が聴こえたからだ。
今度はそう、遠くない未来。


グループメンバーのこともあるし、いろんな人に結果を報告しないといけないから、頭が忙しかったけど、心の整理はついていた。

破れる音も、砕け散る音も、しなかった。

それどころか、なぜかとても清々しい。

爽やかな風が吹いて、ページがめくれる音がした。

とても、とても、とても、悔しかったのに。

不思議だ。

心配してくれているみんな、ありがとう。
わたし、生きている!